【韓国】実用新案法の抜本的改正進行中

2021年10月

近年、韓国では、実用新案の出願件数は減少傾向にあり、2019年には5,447件(前年比12.6%減)まで減少しています。
そこで、「実用新案法」を「小発明保護法」と改名することを含めた、抜本的な改正が検討されています。
尚、本改正は、今後検討が進むに従ってその内容が変更される可能性があることにご留意下さい。

主な改正点
1.法律名・用語の変更
実用新案法の保護対象である「考案」は、国民一般に馴染みがなく直ちに理解されにくいことから、特許法の保護対象である「発明」との違いを直感的に認識し得る「小発明」に変更されます。

2.登録要件の緩和
現行法での進歩性の基準は、通常の技術者が先行発明から、極めて容易に発明できないものとされています。一方、改正法案では、公開された一つの小発明から極めて容易に発明できなければ、小発明の進歩性を認めるとされています。
このように、新規性の要件が緩和されることにより、技術レベルの低い発明が保護され、権利の乱立につながることが懸念されています。
そこで、出願審査請求時には、その小発明を業として実施又は実施の準備をしていることが求められることになります。

3.その他の改正事項を以下の表にまとめました。

  現行実用新案法 (改正法案)小発明保護法
 審査請求期限



 出願日から3年以内



 出願日から1年2ヶ月以内
 但し、出願された小発明を業として実施している
 または実施準備中であることが必要 

 出願公開



 最先優先日から、1年6ヶ月後
 または
 出願人が出願公開申請したとき

 最先優先日から1年6ヶ月後、
 または
 出願人が出願公開申請、若しくは
 出願審査請求したとき
  存続期間  出願日から10年  出願日から5年