【カナダ】特許規則改正案
2022年04月
2021年7月3日、カナダ政府は、特許規則の改正案を公表しました。改正特許規則は、2022年7月1日までに施行されるものとみられていますが、正式な施行日及びその内容はまだ確定していません。
未確定の情報ではありますが、審査請求の時期によっては料金が大きく異なる内容も含まれておりますので、主な内容を以下にお知らせさせていただきます。
1. 超過クレーム料金の導入
審査請求時にクレーム数が20を超えた場合、20を超えたクレーム毎に、$100(カナダドル、以下同じ。Small entitiesの場合は$50)の支払いが必要となります。また、審査請求後、補正によりクレーム数が増えた場合は、登録時の最終手数料(Final Fee)支払時に、未払い分の超過クレーム料金の支払いを求められます。
例えば、審査請求時にクレーム数が25であり、最終手数料支払時にクレーム数が30である場合の超過クレーム料金は以下の通りです
審査請求時: (25-20)x$100=$500
最終手数料支払時:(30-25)x$100=$500
合計: $1,000
但し、改正特許規則の施行前に審査請求された出願には、超過クレーム料金は適用されません。
2.RCE制度の導入
改正特許規則では、審査請求後に発行される審査報告書(Examination Report)の回数が3回までに限定されます。3度目の審査報告書受領後、審査の続行を希望する場合は、その応答時に、手数料($816; Small entitiesの場合は$408)を支払い、RCE(Request for Continued Examination:継続審査請求)をすることができます。1回のRCEで、審査報告書を2回まで受領することができ、さらに必要であれば、RCEを繰り返すことができます。
但し、改正特許規則の施行前に審査請求された出願には、RCEは利用できません。
3. 条件付許可通知書(Conditional Notice of Allowance:CNOA)の導入
軽微な形式的瑕疵を解消すれば特許できる場合には、CNOAが発行されます。CNOAへの応答の際に、指摘された瑕疵を解消する補正書等を提出し、最終手数料を支払うと、許可に進みます。
4. 配列表
配列表の形式は、新しい国際基準であるWIPO標準ST.26に準拠することが求められます。
特許規則改正案の全文には以下のURLからアクセスできます。
https://canadagazette.gc.ca/rp-pr/p1/2021/2021-07-03/html/reg3-eng.html