【インド】デリー高等裁判所 知的財産部規則2022 公表

2022年09月

背景
2021年4月4日、インド知的財産審判委員会(IPAB)の廃止を含む裁判所改革条例(Tribunals Reforms Ordinance 2021)が、大統領令として公布・施行され、IPABが廃止されました。これにより、IPABに係属中の事件を含め、これまでIPABの管轄であった審判事件は、デリー高等裁判所、ボンベイ(ムンバイ)高等裁判所、マドラス高等裁判所、コルカタ高等裁判所、アーメダバード高等裁判所、及び商事裁判所が管轄することとなりました。
そして、2021年7月7日、デリー高等裁判所は、知的財産権に係る紛争を専門に扱う部門である知的財産部(IPD)をデリー高等裁判所内に設置する旨を公表しました。
詳細につきましては、弊所知財トピックス2021年10月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/10286/

新規則の公表
今般、デリー高等裁判所は、IPD規則2022(Delhi High Court Intellectual Property Rights Division Rules, 2022)を公表しました。
公表された規則には、管轄対象となる訴訟の種類、控訴手続、ディスカバリ-、証拠保全、秘密保持、損害賠償の請求、第三者の訴訟参加、訴訟の併合、専門家パネルの設置、技術的知識を有する法律家による補佐、調停等を含む様々な事項に関する定義や取り決めが記載されています。

特筆すべき点として、ビデオ撮影による証拠の記録が認められていることや、双方の専門家が直接議論する「ホットタビング」(hot-tubbing)が旧高裁規則から引き続き採用されていること、文書保全通知(Litigation Hold Notice)の発行により、関連する資料や情報の廃棄を防止し保全することが可能となったことが挙げられます。

IPD規則2022の全文は以下のURLから入手できます。
https://egazette.nic.in/WriteReadData/2022/233739.pdf