【日本】日米欧中韓の特許庁(五庁)がSDGs達成に向けた知財の役割を議論
2022年10月
日米欧中韓の特許庁(五庁)は、2022年6月9日、第15回五庁長官会合をテレビ会議形式で開催しました。本会合では、五庁長官がSDGs達成に向けた知財の役割について、意見交換を行いました。
1. SDGsとは
「SDGs (エスディージーズ)」とは、2015年9月に国連が全会一致で採択した「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2030年までに達成すべき17の目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成され、「誰一人取り残さない」社会の実現に向けた、国際的な取組みです。
2. 日本政府の取組
2016年5月に総理大臣を本部長とした「SDGs推進本部」が設置されました。
SDGsの目標とターゲットのうち、日本として特に注力すべきものとして、以下の8分野を優先課題と定め、その具体的な政策が「SDGsアクションプラン2022」としてまとめられています。
<優先課題8分野>
①あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
②健康長寿の達成
③成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
④持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
⑤省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
⑥生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
⑦平和と安全・安心社会の実現
⑧SDGs実施推進の体制と手段
日本政府の取組の詳細につきましては、経済産業省の以下URLをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/sdgs/index.html
3. SDGs達成に向けた知財の役割
五庁は、SDGsの目標7(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)、目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)及び目標17(パートナーシップで目標を達成しよう)に着目し、グローバルな課題に対する知的財産制度の貢献に関して議論しました。
目標7及び目標9を念頭に、クリーンで安価なエネルギーに関する革新的なソリューションと産業界の取組について意見交換し、知的財産制度が発明者にインセンティブを与えること等により、目標の達成に重要な役割を果たしているとの認識を共有しました。
また、目標17に関連して、グローバルな課題の解決及び社会経済成長促進のため、五庁がイノベーションを一層推進していくことに合意しました。
さらに、日本国特許庁からは、気候変動対策技術を俯瞰できる技術区分表である「Green Transformation Technologies Inventory(GXTI)」をまもなく公表する予定であること及びその活用の可能性について説明がなされ、他庁から大きな期待が示されました。
その後、日本国特許庁は、2022年6月23日に「GXTI (Green Transformation Technologies Inventory)」を公表しています。
https://www.meti.go.jp/press/2022/06/20220623001/20220623001.html
第15回五庁長官会合の詳細につきましては、経済産業省の以下URLをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/press/2022/06/20220613001/20220613001.html
尚、弊所でも、備品補充の際は、エシカル消費(人・社会・環境に配慮した倫理的消費)を念頭に置くなど、できることからSDGsの取組を始めております。