【日本】日本国特許庁、Green Transformation Technologies Inventoryを公表
2022年10月
2022年6月23日、日本国特許庁(JPO)は、グリーン・トランスフォーメーション(GX)に関する特許技術を俯瞰する新たな技術区分表を作成し、それに紐付けられた特許検索式を合わせた「GXTI (Green Transformation Technologies Inventory)」を公表しました。
1. グリーン・トランスフォーメーション(GX)とは
GXとは、環境に配慮した技術、例えば、次世代型太陽電池やカーボンリサイクルといったグリーン技術を用い、環境問題を解決しながら経済成長を実現する、つまり産業構造や社会経済を変革(トランスフォーメーション)する取り組みです。
2. 背景
日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」の目標を掲げています。
この目標を、「経済と環境の好循環」につなげつつ達成するために、経済産業省が中心となって、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されました。
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012.html
このような社会全体の動きの中、コーポレートガバナンスコード改訂(2021年6月)により、プライム市場に上場する企業は、気候変動関連情報の「開示の質と量を充実すべき」こととなりました。
そこで、JPOは、GXに関する特許技術を俯瞰する新たな技術区分表(GX技術区分表)を作成し、それに紐付けられた特許検索式とを合わせて、GXTIとして公表しました。
GXTIは、GX技術をどのようにカテゴライズするか、そしてカテゴライズされたGX技術に該当する特許文献をどのように検索するかを示すものです。
GXTIは、企業等が、開示すべき気候変動関連情報をエビデンスベースで説明する際に活用できる他、GX技術を特許情報に基づいて分析する際の共通資産になることが期待されています。
3. 今後の予定
JPOは、今後、GX技術区分単位で各国の特許出願動向を概括する調査を行い、その結果を報告書として公表する予定としています。この報告書は、日本及び諸外国のGX技術のシェアや推移を可視化し、また、企業等が、GXTIを用いて特許分析を行う際の参考となることが期待されています。
報告書は2023年4月~5月頃に公表される予定です。また、調査の途中経過についても2022年度中に随時公表される予定です。
詳細につきましては、経済産業省の以下のURLをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/press/2022/06/20220623001/20220623001.html