【日本】マルチマルチクレーム制限後の出願状況について
2022年11月
特許法施行規則及び実用新案法施行規則の一部を改正する省令が施行され、2022年4月1日以降の出願について、マルチマルチクレームが含まれている場合は、特許出願では拒絶理由の対象に、実用新案登録出願では基礎的要件違反となることとなりました。
詳細につきましては、弊所知財トピックス2022年2月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/11470/
また、特許法施行規則及び実用新案法施行規則の改正に伴い、審査基準も改訂されました。詳細につきましては、弊所知財トピックス2022年7月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/11658/
1. 出願状況
今般、特許庁(JPO)は、マルチマルチクレーム制限後の出願状況について公表をしました。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/letter/multimultichecker.html#seigen
これによりますと、特許出願全体に占めるマルチマルチクレームを含む出願の割合は、マルチマルチクレーム制限前は65%程度であったのに対して、制限後の2022年4月出願分は6.0%、同年5月出願分は4.5%に減少しました。
2. 補正について
出願後にマルチマルチクレームを含むことに気づいた場合は、出願審査請求時又はその前までに自発補正することをお勧めします。
審査段階で、マルチマルチクレームが含まれていますと、特許法第36条第6項第4号違反の拒絶理由が通知されます。この拒絶理由を解消するための補正に対して、新たな拒絶理由を通知することが必要になった場合は、最後の拒絶理由通知となり、補正をすることができる範囲が制限されるおそれがあるからです。