【日本】PCT出願に関する法律施行規則等の一部を改正する省令案‐中小企業支援

2022年12月

今般、日本国特許庁(JPO)より、特許協力条約に基づく国際出願等(PCT出願)に関する法律施行規則等の一部を改正する省令案が公表されました。

1.背景
現在、PCT出願時に納付する手数料について、中小企業等への支援措置が取られています。(但し、日本語でされたPCT出願であって、JPOが国際調査又は国際予備審査を行う場合に限られます。)
この支援措置には、JPOの手数料に関する軽減制度(軽減制度)と、WIPO国際事務局の手数料(WIPO手数料)に関する交付金制度(交付金制度)の2つが併存しています。
軽減制度では、手続時に減額後の額を納付することとなっています。
一方、交付金制度では、一旦全額を納付した後に、所定の手続きをすることにより、WIPO手数料の一部に相当する額が交付されます。
軽減制度及び交付金制度の適用を受けるための適格要件等は同一であるにもかかわらず、手数料の種類によって手続が異なっており、わかりづらい制度となっています。特に、交付金制度では、一旦、WIPO手数料を納付した上で、交付金制度を利用するための手続を別途行わなければならない点で、煩雑なものとなっています。

2.変更点
このような煩雑さを解消するため、改正案では、国際出願法施行規則が以下の様に改正されます。

① 現在交付金制度が適用されているWIPO手数料について、別途の手続を要しない形で、中小企業等がJPOに納付すべき手数料の額の規定が新設されます(国際出願法施行規則第79条、第81条関係)。

つまり、最初から交付金に相当する額を控除した金額を納付することとなります。

② 今般新たに定める手数料の対象者であることを申告するために必要な書面を願書と同時に提出しなければならない旨を規定するとともに、国際出願法施行規則第84条第1項に規定する軽減申請書を提出した場合には、当該書面の提出を省略することができる旨が併せて規定されます(国際出願法施行規則第84条の2関係)。

つまり、軽減申請書を提出すれば、交付金制度利用のための別途の手続きは不要となります。

3.今後のスケジュール予定
上記省令案は、2022年10月下旬公布、2024年1月1日(月)施行の予定です。

詳細につきましては、JPOの以下URLをご参照ください。
https://www.jpo.go.jp/news/public/iken/220805_kokusai.html