【日本】JPO、令和4年度「審査の質についてのユーザー評価調査報告書」公表
2023年02月
日本国特許庁(JPO)は、審査に対するユーザーの声を適切に把握し、品質管理施策に反映させるため、「審査の質についてのユーザー評価調査」を平成24年度より実施しています。今般、令和3年度の特許審査・国際調査等を対象とした、令和4年度調査報告書が公表されました。
1. 調査目的
国際的に信頼される質の高い審査及び適切な権利の設定が、企業の円滑かつグローバルな事業展開、イノベーションの促進、健全な取引秩序の維持を図る上では大変重要です。
そして、高品質の特許審査を実現するためには、特許審査に対するユーザー(出願人や権利行使する第三者等)のニーズや期待を具体的に把握し、優先的に取り組むべき課題を選別し、改善を図る必要があります。このような目的で、ユーザー評価調査は実施されています。
2. 令和4年度調査結果
図1:国内出願における特許審査全般の質についての評価(全体評価)
図2:PCT出願における国際調査等全般の質についての評価(全体評価)
図出典:経済産業省ウェブサイト
https://www.meti.go.jp/press/2022/10/20221012002/20221012002.html
令和4年度の調査は、令和3年度の特許審査・国際調査等全般を調査対象とし、令和4年5月~6月にオンラインアンケート形式で行われました(調査対象:715者 回答:607者)。
その結果、上記図1の通り、国内出願における特許審査全般の質についての評価(全体評価)は、「普通」以上の評価の割合が95.7%、上位評価割合(「満足」・「比較的満足」の評価の割合)が61.3%でした。
また、PCT出願における国際調査等全般の質についての評価(全体評価)は、上記図2の通り、「普通」以上の評価の割合が97.5%、上位評価割合が59.0%でした。
3. 今後の取組
分析の結果、「判断の均質性」、「第29条第2項(進歩性)の判断の均質性」、「国際段階と国内段階との間での判断の一貫性」の項目での相対的な評価が低く、また、これらの項目の評価が、国内出願における特許審査及びPCT出願における国際調査等の全般の質の評価に大きく影響していることが判明しました。
そこで、JPOは、これらを優先的に取り組むべき項目として、今後、具体的な課題の把握、審査官間の協議等を通じて、判断の均質性の向上を図るようです。
令和4年度特許審査の質についてのユーザー評価調査報告書の全文はJPOの以下URLから入手できます。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/user/2022-tokkyo.html