【米国】USPTO、がん予防等に関する出願の促進審査試行プログラムを開始
2023年05月
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年2月1日より、がん予防等に関する特許出願の促進審査試行プログラムである、Cancer Moonshot Expedited Examination Pilot Program(ムーンショット・プログラム)を開始しました。
ムーンショット・プログラムは、今後25年間で、がんによる死亡率を少なくとも50%減少させるというバイデン大統領の目標達成を支援するものです。
ムーンショット・プログラムの開始により、2016年6月から実施されていたCancer Immunotherapy Pilot Program(がん免疫療法試行プログラム:通称Patents for PatientsまたはP4P)は2023年1月31日をもって終了しました。
1.対象
ムーンショット・プログラムの対象となる出願は、腫瘍学(oncology)又は禁煙に関するものであり、以下の方法クレームの少なくとも1つを含む必要があります。
(1) 免疫療法用化合物または組成物を用いてがんを治療、またはその発生を抑制する方法(がん免疫療法)
(2) 特定の医薬組成物を用いる、特定の遺伝子マーカーや変異を標的とした、がん治療方法(個別化療法)
(3) 特定の医薬組成物を用いた、希少がんまたは小児がんの治療方法
(4) がんの検出または治療に特化した医療機器を用いて、がんを検出または治療する方法
(5) 特定の医薬組成物を投与してがんを治療する方法であって、がんを診断する工程を含む方法
(6) 特定の医薬組成物を投与することにより、ニコチン依存症を治療し、禁煙を促進する方法
PCT国内移⾏出願もムーンショット・プログラムの対象となりますが、申請のためには、DOCX形式で出願する必要があります。
2.期間
2023年2月1日から、2025年1月31日またはUSPTOの受理件数が1000件に達するまでの何れか早い日までとされています。
3.効果
最初のオフィス・アクション(限定要求のみのオフィス・アクションを含む)が発行されるまで優先的に審査されます。
尚、ムーンショット・プログラム申請についてのUSPTOの手数料は無料です。
Cancer Moonshot Expedited Examination Pilot Programの詳細につきましては、下記URLからUSPTOの公表及び2022年12月9日付け官報をご参照ください。
USPTOの公表
https://www.uspto.gov/patents/initiatives/patent-application-initiatives/cancer-moonshot-expedited-examination
2022年12月9日付け官報
https://www.federalregister.gov/documents/2022/12/09/2022-26776/cancer-moonshot-expedited-examination-pilot-program