【欧州】欧州統一特許裁判所(UPC)のミラノ中央部の支部が始動

2024年10月NEW

ミラノに設置されることが昨年決まっていたUPC中央部の3つ目の支部が、2024年6月27日より正式に運用を開始しました。
管轄は、IPCセクションA「生活必需品」に関する事件です。
IPCセクションAには、例えば、医薬品・医療機器、診断ツール、農業 (林業、漁業、畜産を含む)、食品、タバコ、家電製品、衣類、木材・家具、スポーツ・ゲーム・娯楽産業等、様々な技術分野が含まれます。このように、ミラノ中央部支部は医薬発明に関する事件を管轄するにも関わらず、医薬特許の存続期間延長(補充的保護証明書(SPC))に関する事件は管轄しないことに留意が必要です(SPCに関する事件はパリ中央部支部の管轄となっています)。

UPC公表資料によりますと、2024年5月末までの支部別の訴訟受理件数を、受理件数の多い支部のみについて示すと以下の通りです。
・パリ中央部支部:35件の取消訴訟、1件の侵害訴訟、1件の非侵害宣言訴訟
・ミュンヘン中央部支部:4件の取消訴訟
・ミュンヘン地方支部:54件の侵害訴訟
・デュッセルドルフ地方支部:27件の侵害訴訟
https://www.unified-patent-court.org/sites/default/files/upc_documents/Case%20load%20of%20the%20Court_end%20May%202024_final.pdf