【日本】中小企業の特許出願、初の年間4万件超え

2024年09月

日本国特許庁(JPO)が公表した「特許行政年次報告書2024年版」によりますと、2023年の中小企業の特許出願件数は前年比約1.4%増の4万221件で、全体出願件数の17.6%を占めました。中小企業の特許出願が年間4万件を超えたのは、統計を取り始めた2009年以来、初めてのことです。


図出典:「特許年次報告書2024年版」 50頁 1‐3‐2図

日本の全企業の99.7%が中小企業といわれており、その活性化は、わが国経済・産業の維持発展において不可欠なものです。そこで、中小企業の技術・ノウハウ等の知的財の保護及び積極的な活用を図るべく様々な支援策がとられています。弊所知財トピックの一部を以下にご紹介させていただきます。

【日本】新たな特許料等の減免制度開始-2019年4月1日より減免対象が拡大され、申請手続が簡素化されます 
2019年3月掲載分
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/5900/

【日本】JPO、スタートアップに対するプッシュ型支援(PASS)の試行開始
2024年2月掲載分
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/14639/

【日本】令和6年度中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金(中小企業等外国出願支援事業)について
2024年6月掲載分
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/15208/

中でも、2019年の特許料等の減免対象拡大及び手続の簡素化が中小企業の特許出願件数増加に大きく貢献したようです。今後も、JPOは、工業所有権情報・研修館(INPIT)、日本弁理士会、日本商工会議所等と協力し、中小企業やスタートアップ企業の知財活動の支援を強化することが期待されます。