【欧州】欧州特許庁(EPO)、2024年の年次統計(Patent Index)を公表
2025年04月NEW
EPOが2023年のPatent Indexを公表しました。
https://www.epo.org/en/about-us/statistics/patent-index-2024
1.出願件数
(1) EPOが実際に審査を行う、欧州特許出願(European Patent Application)の件数は、199,264件(前年比0.1%減)となりました。
(注:本記事において、欧州特許出願の件数は、PCTルートではなく直接EPOに出願されたものと、EPOへの広域段階移行手続がなされたPCT出願との合計を表わします。)
(2) 出願人の国・地域別件数
出願人を地域別に見てみますと、EPC加盟国からの出願割合が再び増加し(前年比0.3%増)全体の43.3%を占め、次いで米国が24.0%、アジア (日本: 10.6%、 中国: 10.1%、 韓国: 6.6%) が約27.3%を占めています。
欧州特許出願件数の上位10ヶ国は下表の通りです。
国名 | 出願件数 | 前年比 |
1.米国 | 47,787 | -0.8% |
2.ドイツ | 25,033 | +0.4% |
3.日本 | 21,062 | -2.4% |
4.中国 | 20,081 | +0.5% |
5.韓国 | 13,107 | +4.2% |
6.フランス | 10,980 | +1.1% |
7.スイス | 9,966 | +3.2% |
8.オランダ | 7,054 | +0.0% |
9.英国 | 6,076 | +3.1% |
10.スウェーデン | 4,936 | -3.7% |
(3)技術分野別出願件数
技術分野別に見ると、2024年の出願件数が多い技術分野の1位から5位は、コンピューターテクノロジー(16,815 件、前年比 +3.3%)、電気機械・電気装置・電気エネルギー(16,142 件、前年比 +8.9%)、デジタル通信(15,983 件、前年比 -6.3%)、医療機器(15,701 件、前年比 -3.0%)、及び輸送(10,026 件、前年比 +3.5%)でした。
出願件数の増加が最も大きかったのは、電気機械、装置、及びエネルギー(+8.9%)でした。この分野には、クリーンエネルギーの発明やバッテリー技術が含まれます。コンピューターテクノロジー(+3.3%)は、機械学習やパターン認識などのAIの分野を含み、大幅な増加となりました。
(4) 企業別出願件数
企業別出願件数の上位10社は、下表の通りです。
企業名 | 出願件数 | 国/地域名 |
1.SAMSUNG | 5,107 | 韓国 |
2.HUAWEI | 4,322 | 中国 |
3.LG | 3,623 | 韓国 |
4.QUALCOMM | 3,015 | 米国 |
5.RTX | 2,061 | 米国 |
6.SIEMENS | 1,830 | EPC加盟国 |
7.BASF | 1,599 | EPC加盟国 |
8.ERICSSON | 1,470 | EPC加盟国 |
9.SONY | 1,307 | 日本 |
10.ROBERT BOSCH | 1,249 | EPC加盟国 |
2. 特許付与件数
2024年にEPOが付与した欧州特許の件数は、109,524件(前年比4.7%増)となりました。この内、約25.6%の欧州特許において欧州単一効特許(Unitary Patent)の申請がなされました。2024年に申請された全てのUnitary Patent申請について、申請者の国籍別分布を見てみますと、EPC加盟国全体で36.5%を占め、次いで多い順に韓国(18.9%)、中国(17.9%)、米国(16.0%)、及び日本(7.9%)となっています。