【欧州】欧州特許庁 (EPO)、処理進捗状況通知サービスを開始 (2016年11月1日より)
2017年01月
Early Certainty from Search (ECfS)注1 の実施、及び早期調査・早期審査の枠組みであるPACEプログラムの運用の変更等に伴い、利用者が審査等の進捗状況を知ることのできる仕組みの構築が求められていました。
そこで、EPOは、第一審級の部門 (調査部、審査部、及び異議部) に係属中のすべての案件について、次のオフィス・アクションが出されると予想される時期を、問い合わせに応じて通知するサービスを開始しました。
当サービスは2016年11月1日より利用可能となっています。
1.手続
- 問い合わせは、出願人又はその代理人により、EPO Form 1012を使用して、オンラインで行います。なお、1 回に1案件 (特許出願又は特許) についてのみ問い合わせが可能です。
- Form 1012受信後、EPOは速やかに受け取り確認を送信します。
2.効果
(1) EPOは、当該技術分野の未処理案件数等の状況に鑑み、次のオフィス・アクションが出されると予想される時期を通知します。
・問い合わせ及びその回答は、公衆に閲覧可能となる点にご留意下さい。
(2) Form 1012による問い合わせは、審査を促進するものではありませんが、以下のi)~iii) に該当する場合は、問い合わせ後1ヶ月以内に、次のオフィス・アクションが出されます。
i) 2014年6月1日以降に出願されたEP出願 (国際調査機関・補充国際調査機関がEPOではないPCT出願のEP移行案件を含む) について、出願日から又はRule161(2)EPCで規定された期間の満了から6ヶ月経過後であって、欧州拡張調査報告/部分的欧州調査報告が未発行の場合。
ii) PACEプログラム申請がなされた出願について、設定目標期間内にオフィス・アクションが発行されていない場合。
iii) 過去にForm 1012による問い合わせが行われた案件について、回答された期限までにオフィス・アクションが出されていない場合。
(3) 以下の場合は、問い合わせ後6ヶ月以内に、次のオフィス・アクションが出されます。
i) 2014年6月1日より前に出願されたEP出願 (国際調査機関・補充国際調査機関がEPOではないPCT出願のEP移行案件を含む)であって、優先権を主張している出願について、欧州拡張調査報告/部分的欧州調査報告が未発行の場合。
(4) EPOは、回答された期日までに次のオフィス・アクションが発行されたか否か、注意深く監視します。
(5) EPOからの回答に示された期日に不服があれば、PACEプログラムを申請することにより、審査を促進することができます。
詳しくは、以下のURLをクリックしてください。
https://www.epo.org/law-practice/legal-texts/official-journal/2016/08/a66.html
注1:Early Certainty from Search (ECfS) とは、係属中の出願の法的安定性を向上させるスキームであり、2014年7月1日以降のEP出願 (国際調査機関・補充国際調査機関がEPOでないEuro-PCT出願を含む)について、出願日から6ヶ月以内に欧州拡張調査報告/部分的欧州調査報告を発行することを主な目標の一つとしています。