【インドネシア】特許実施義務履行の延期に関する施行規則公表

2018年11月

インドネシア法務人権省は、特許実施義務に関する施行規則(Regulation No. 15 of 2018)が2018年7月11日に発効したことを、公表しました。同規則により、インドネシアでの特許実施義務(インドネシア特許法第20条)の履行延期申請が可能となります。

1. インドネシア特許法第20条 (実施義務)
2016年8月26日に施行されたインドネシア特許法第20条によりますと、特許権者は、技術移転、投資及び/又は現地雇用創出を支援するため、インドネシア国内で、特許を受けた物を製造し又は特許を受けた方法を使用する義務を負います。そして、特許権者がその義務を特許付与後36月以内に果たさない場合、強制実施権設定の対象となります(インドネシア特許法第82条)。また、特許権者が同法第20条の規定に違反する場合、裁判所決定に基づく特許取消の理由(同法第132条)に該当します。

2. 特許実施義務に関する施行規則(Regulation No. 15 of 2018)
2018年7月11日に発効した施行規則によりますと、特許発明の実施に至っていない特許権者は、特許付与後36月以内に、実施義務の延期申請理由と共に実施義務延期申請書を提出することにより、最長5年間、実施義務履行の延期が認められ、強制実施権設定の対象から除外されます。

現地代理人は、認められ得る実施義務延期申請理由(特許発明の不実施の理由)として、以下の例を挙げています。
(i)36月以内に特許発明を商業的に実施する能力又は施設がないこと
(ii)製造又は生産が、地域社会の利益になるような経済的規模ではないこと

この実施義務履行の延期は、申請書を再提出することにより更なる延期が可能です。

なお、個別の案件につきましては、弊所にご相談下さい。