【韓国】特許法の一部改正、懲罰的損害賠償等の導入

2019年02月

韓国特許法の一部が改正されました。改正法は、2019年7月9日に施行される予定です。

主な改正事項は、次の通りです。

1.懲罰的損害賠償の導入(特許法第128条第8項及び第9項-新設)
・特許権又は専用実施権の侵害行為が故意と認められる場合には、損害として認められた金額の3倍を超えない範囲で賠償額を認めることができます。
・これにより、特許権又は専用実施権の侵害による被害の救済を強化することができます。
*この規定は、施行日以降に発生した侵害行為に適用されます。

2.実施料賠償規定の改正(特許法第65条第2項及び第128条第5項)
・特許法第65条第2項に規定されている補償金及び特許法第128条第5項に規定されている損害額として、特許発明の実施に対して「通常的に受けることができる金額」が「合理的に受けることができる金額」に変更されます。
・これにより、特許侵害などの個別的・具体的な状況を考慮して、合理的な範囲の実施料相当の補償金及び損害額を算定することができます。

3.具体的行為態様の提示を義務化(特許法第126条の2-新設)
・特許侵害訴訟において、特許権者又は専用実施権者が主張する侵害行為の具体的な行為態様を否認する当事者(例えば、被疑侵害者)は、自らの具体的な行為態様を提示しなければなりません。
・これにより、侵害行為を否認する当事者に、自己の行為態様に対する立証責任が転換されます。
・今まで侵害立証の困難性により訴訟の提起が躊躇されていた、方法特許又は製造方法特許に関する侵害訴訟が、増加することが予想されます。また、特許出願において、方法発明及び製造方法発明に関する請求項の重要性が高まることが予想されます。
*この規定は、施行日以降に請求される特許権及び専用実施権侵害訴訟に適用されます。