【ブラジル】審査遅延解消プロジェクト-予備的指令書 (Preliminary Office Action) の発行開始

2019年09月

ブラジル産業財産庁 (INPI) は、2019年7月9日に、審査遅延解消プロジェクトの 一環として、先行技術文献調査結果のみを記載した予備的指令書の発行を定める、決議No. 240/19およびNo. 241/19を公表しました。
このプロジェクトは、2年以内に未処理の特許出願 (約16万件) を80%削減することを目的としています。

1.予備的指令書発行の対象となる特許出願の条件
① 出願日が2016年12月31日以前であること
② 実体審査が開始されていないこと
③ 優先審査の申請がなされていないこと
④ ANVISA(ブラジル国家衛生監督庁)又は第三者から「特許性に関する技術的な意見」がなされていないこと

2.予備的指令書の発行開始時期
① 決議 No. 241/19は、対応外国出願で既に先行技術文献調査がなされている出願を対象とし、2019年7月23日から予備的指令書の発行 (公報掲載) が開始されるとされています。
これらの出願については、INPIでの先行技術文献調査は行われません。

② 決議 No. 240/19は、先行技術文献調査がまだされていない出願を対象としています。INPIで先行技術文献調査を行った後、2019年8月6日から予備的指令書の発行 (公報掲載) が開始されるとされています。

3.予備的指令書への応答
① 補正書・意見書の提出
出願人は、引用された先行技術文献に対して特許性を有するように、クレームを補正することができます。先行技術文献に対して、特許性を有している旨、意見書で説明することもできます。

② 応答期限
予備的指令書の発行日(広報掲載日)から、90日以内に応答する必要があります。期限までに応答がない場合は、権利化の道が閉ざされます。