【日本】特許庁が「判定制度ガイドブック」を作成しました
2021年01月
今般、特許庁から、「判定制度ガイドブック ~権利の侵害・非侵害でお悩みの方に~」が発行されました。
1.判定とは
特許庁が、特許発明の技術的範囲等について、中立・公平な立場から判断を示す制度です。高度な専門性を有する3名の審判官の合議体による審理が行われ、最短で3ヶ月で結論が出ます。判定制度は、産業財産権四法(特許法、実用新案法、意匠法及び商標法)の全てに設けられています。
2.判定の利用例
特許を例にとりますと、他人の商品等が、自分の特許発明の技術的範囲に含まれる(自分の権利を侵害する可能性がある)ものであるかどうかを知りたい場合や、計画中又は実施中の商品等が、他人の特許発明の技術的範囲に含まれる(他人の権利を侵害する可能性がある)ものであるかどうかを知りたい場合に判定が利用できます。
判定書は、警告状の根拠資料として用いることが可能です。また、警告を受けた際の反論の根拠資料として用いることも可能です。
さらには、標準必須特許であるか否かの判断を求めることも可能です。
但し、判定には法的拘束力はありません。
3.判定の流れ
出典:特許庁ウエブ判定制度ガイドブック (6)判定請求の流れ
4.書類の閲覧と営業秘密の申出
判定事件の書類の閲覧は誰でも請求することができますが、判定事件の書類に営業秘密が記載されている場合は、営業秘密に関する申出書を特許庁に対して提出することにより、営業秘密が記載された書類の閲覧を制限することができます。
判定制度ガイドブック ~権利の侵害・非侵害でお悩みの方に~
は以下のURLから入手いただけます。
https://www.jpo.go.jp/system/trial_appeal/shubetu-hantei/document/hantei-seido-guidebook/hantei_all.pdf