著作隣接権

3.放送事業者の権利

1)権利の対象-放送

著作権法2条1項8号は「放送」に関し、次のような定義規定を置いています。

【著作権法2条1項8号】
放送 公衆送信のうち、公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。

2)権利の主体-放送事業者

著作権法2条1項9号は「放送事業者」に関し、次のような定義規定を置いています。

【著作権法2条1項9号】
放送事業者 放送を業として行う者をいう。

3)権利の内容

放送事業者の権利は、許諾権としての著作隣接権のみで構成され、報酬・二次的使用料請求権は存在しません。

放送
事業者の権利
許諾権複製権、再放送権・有線放送権、送信可能化権
テレビ放送の伝達権

(1) 著作隣接権(許諾権)

(1)複製権

放送事業者は、テレビ・ラジオの放送や、放送を受信して行われた有線放送を録音・録画したり、画像を写真により複製する権利を専有することができます(著98条)。

(2)再放送権、有線放送権

放送事業者は、放送を受信して、再放送したり、有線放送する権利を専有することができます(著99条)。なお、「再放送」とは、放送を受信して別の放送事業者が放送することをいい、リピート放送(いわゆる再放送)の意味ではありません。

(3)送信可能化権

放送事業者は、放送や放送を受信して行われた有線放送を受信して、送信可能化する権利を専有することができます(著96条の2)。

(4)テレビ放送の伝達権

放送事業者は、テレビ放送を受信して、大画面スクリーン等で公衆に伝達する権利を専有することができます(著100条)。

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