特殊な制度の利用

4. 内装の意匠

内装の意匠制度とは、店舗・事務所その他の施設の内部の設備及び装飾を構成する複数の物品等の組み合わせを全体として一意匠と認め意匠権を付与する制度です。

家具や什器の組合せや配置、建築物の一部(壁、天井、床等)の装飾等により構成された、全体として統一感のある内装デザインの創作に対して適切な保護を図るために認められるものです。

1)内装の意匠の登録要件

(1) 店舗、事務所その他の施設の内部であること

店舗、事務所その他の施設に該当し、それらの内部に該当することが必要です。

(2) 複数の物品等から構成されるものであること

内装の意匠は、複数の物品、建築物又は画像で構成されたものでなければなりません。

(3) 内装全体として統一的な美感を起こさせるものであること

内装全体として統一的な美観を起こさせるものとして、下記のような例が挙げられます。
 ①構成物等に共通の形状等の処理がされているもの
 ②構成物等が全体として一つのまとまった形状又は模様を表しているもの
 ③構成物等に観念上の共通性があるもの
 ④構成物等を統一的な秩序に基づいて配置したもの

(4) 内装の意匠が全体として、新規性、創作性等の登録要件を満たすこと

内装全体としての新規性、創作性が必要であり、構成物品ごとの新規性、創作性は必要とされません。

 

2)内装の意匠の意匠権

(1) 内装全体として意匠権が発生します。

内装全体としての権利であるため、各構成物品ごとの模倣に対しては、権利行使を行うことができません。

(2) 各構成物品に関する先願の意匠権が存在する場合、内装の意匠の意匠権者は自己の登録意匠を実施できません。

 

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