-その(4) ライセンス契約について-(6)
その他の知的財産法解説:目次
- はじめに ―法務部門開設の案内およびその趣旨
- なぜ、書面による取り決めが必要になるのか(概説説明)
- 契約の必要性について -秘密保持契約-
- 契約の必要性について -共同研究(開発)契約-
- 契約の必要性について -オプション契約-
- 契約の必要性について -共同出願取扱契約-
- 契約の必要性について -下請契約と製造委託契約の違いについて-
- ライセンス契約(特許およびノウハウ)について -その(1)
- ライセンス契約(特許およびノウハウ)について -その(2)
- ライセンス契約(特許およびノウハウ)について -その(3)
- ライセンス契約及び共同研究契約と独占禁止法との関連について-その(1)
- ライセンス契約及び共同研究契約と独占禁止法との関連について-その(2)
- ライセンス契約及び共同研究契約と独占禁止法との関連について-その(3)
- 国際契約を締結するにあたって法制上の留意点-その(1) 米国における契約の概念
- -その(2) 技術移転に対する規制
- -その(3) 秘密保持契約および共同研究開発契約について-(1)
- -その(3) 秘密保持契約および共同研究開発契約について-(2)
- -その(4) ライセンス契約について-(1)
- -その(4) ライセンス契約について-(2)
- -その(4) ライセンス契約について-(3)
- -その(4) ライセンス契約について-(4)
- -その(4) ライセンス契約について-(5)
- -その(4) ライセンス契約について-(6)
- -その(4) ライセンス契約について-(7)
- -その(4) ライセンス契約について-(8)
- 特許侵害訴訟(特に日米比較を中心)について-(1)
- 特許侵害訴訟(特に日米比較を中心)について-(2)
- 特許侵害訴訟(特に日米比較を中心)について-(3)
- 不正競争防止法について-(1)
- 不正競争防止法について-(2)
- 著作権について
(英国は、2020年1月31日に正式にEUから離脱しました。)
英国では、米国、カナダ、オーストラリアと同じくコモンロー(判例法)に基づきます。しかし、英国にも競争法(1998年競争法)があり、これが適用されることになります。競争制限的協定について定めたChapter 1と市場支配的地位の乱用の規制を定めたChapter 2 は、それぞれEU機能条約の101条及び102条に倣ったものであり、EU離脱後であっても、少なくとも短期間では変更されない可能性があります。
例えば、ライセンスの許諾範囲が不明瞭な場合には、「許諾目的の理論」があり、契約上の目的を遂行するのに必要なだけの権利しかライセンスの対象とはしないという考え方が適用されます。
日独間の契約上の紛争はどちらかの準拠法でやるべきです。比較的両者の法的 解釈は似ておりますので、どちらかで適切といえます。第三国の法に基づくと いうような合意は実務上さまざまな支障をきたす恐れがあるため、お勧めでき ません。
ドイツでは、書面による主張が重要な役割を占めております。日本における弁 論準備手続がありませんし、米国におけるような長時間に及ぶトライアルもありません。口頭弁論も大抵1~2時間で終了するため、それまでの書面によるやりとりが一番重要になってきます。口頭弁論では、書面による事実を覆すことは困難になりますので、書面による見解-つまり、明確かつ説得力のある書面の作成が明暗を分けるといっても過言ではないようです。
*競争法違反で会社同士が争う場合には、商事裁判所が管轄となります。
*特許に関して争う場合には、10箇所の大審裁判所が管轄となります。
(この章続く)