交通安全スローガン事件 サイボウズ事件
その他の知的財産法解説:目次
- ビデオメイツ事件
- ヒットワン事件 選撮見録(よりどりみどり)事件
- 「血液型と性格」事件
- パロディ・モンタージュ事件 脱ゴーマニズム宣言事件
- 社交ダンス教室事件
- 脱ゴーマニズム宣言 事件 ときめきメモリアル事件
- キャンディキャンディ事件
- 中古ゲームソフト事件
- ファイルローグ事件
- クラブ・キャッツアイ 事件
- 交通安全スローガン事件 サイボウズ事件
- LEC出る順シリーズ事件 どこまでも行こう vs. 記念樹 事件 けろけろけろっぴ事件 The Wall Street Journal事件
- タウンページ・キャラクター事件 みずみずしいスイカ 事件
- パロディ=モンタージュ 事件 江差追分事件
- ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー 事件
- RGBアドベンチャー事件
- 「SMAP大研究」事件
- 翼システム事件
- ポパイネクタイ事件
- モリサワタイプフェイス事件
- 著作物性を肯定した例 著作物性を否定した例
- 交通安全スローガン事件 ライントピックス事件 ラストメッセージ in 最終号事件
【著作権:資料】 参考裁判例
■交通安全スローガン事件(東京高判平成13年10月30日)ー類似性否定
この事件では、被告の作成した「ママの胸よりチャイルドシート」とのスローガンと原告の作成した「ボク安心ママの膝よりチャイルドシート」とのスローガンの類似性が問題となりましたが、東京高裁は、以下のように述べ、類似性を否定し、原告の請求を棄却しました。
「交通標語には、著作物性・・そのものが認められない場合も多く、それが認められる場合にも、その同一性ないし類似性の認められる範囲(著作権法による保護の及ぶ範囲)は、一般に狭いものとならざるを得ず、ときには、いわゆるデッドコピーの類の使用を禁止するだけにとどまることも少なくないものというべきである」
■サイボウズ事件(東京地判平成14年9月5日)ー類似性否定
この事件では、原告のビジネスソフト「サイボウズ」の表示画面と被告のソフト「i office 2000 バージョン2.43」の表示画面の類似性が問題となりましたが、東京地裁は以下のように述べ類似性を否定する判断をしました。
「原告ソフトの表示画面については,仮にこれを著作物と解することができるとしても,その創作的表現を直接感得することができるような他者の表示画面は,原告ソフトの表示画面の創作的要素のほとんどすべてを共通に有し,新たな要素も付加されていないようなものに限られる。すなわち,仮に原告ソフトの表示画面を著作物と解することができるとしても,その複製ないし翻案として著作権侵害を認め得る他者の表示画面は,いわゆるデッドコピーないしそれに準ずるようなものに限られるというべきである。」