ファイルローグ事件

【著作権:資料】 参考裁判例

■ファイルローグ事件(東京高判平成17年3月31日)

「本件サービスのように、インターネットを介する情報の流通は、日々不断にかつ大量になされ、社会的に必要不可欠なものになっていること、そのうちに違法なものがあるとしても、流通する情報を逐一捕捉することは必ずしも技術的に容易でないことなどからすると、単に一般的に違法な行為がされるおそれがあるというだけから、そのような情報通信サービスを提供していることをもって上記侵害の主体であるとすることは適切でないことはいうまでもない。しかし、単に一般的に違法な利用もあり得るというだけにとどまらず、本件サービスが、その性質上、具体的かつ蓋然性をもって特定の類型の違法な著作権侵害行為を惹起するものであり、Y会社がそのことを予想しつつ本件サービスを提供して、そのような侵害行為を誘発し、しかもそれについての控訴人会社の管理があり、Y会社がこれにより何らかの利益を得ている余地があるとみられる事実があるときは、Y会社はまさに自らのコントロール可能な行為により侵害の結果を招いている者として、その責任を問われるべきことは当然であり、Y会社を侵害の主体と認めることができるというべきである。」