【速報】中国商標法改正パブコメ案について

2023年01月16日 (月)

中国国家知識産権局(CNIPA)は、2023年1月13日に「商標法改正草案(意見募集稿)」(以下パブコメ草案という)を公表しましたのでお知らせいたします。かかるパブコメ草案は全10章全101条に商標法を拡充させる大幅な改訂です。止まることのない悪意の冒認出願対策、商標の使用義務の強化、繰り返し行われているバックアップ出願(リレー出願)の抑制等の問題を取り上げ、新たな時代に向けた意気込みを感じる条項となっています。一方で社会主義的色彩が色濃くなっている点にも注目です。日本企業にとって大きな影響を与える大幅な改正内容でもあることから、特に、影響が生ずると思われる重要項目を速報としてお届けします。

1)権利付与手続のスリム化
 ・異議申立期間を3ヶ月から2ヶ月に短縮
 ・異議の取消決定にかかる不服審判の撤廃
 ・裁判において引用商標の事情変更を適用しない旨の確認
 ・審査又は審理の中止規定の新設、等
  ※解説Ⅳ(三)参照

2)登録主義の弊害からの回避
 ・同一商標の重複出願の禁止(バックアップ出願の禁止)
 ・出願段階における使用又は使用の確約要件の追加
 ・登録後5年毎の使用説明制度の導入
 ・使用説明の事実確認のための抜き打ち検査制度の導入、等
  ※解説Ⅳ(四)参照

3)悪意の冒認対策、公正な市場秩序の構築
 ・悪意の冒認商標の強制移転制度の導入
 ・悪意の登録についての損害補填
 ・公益訴訟制度の導入
 ・商標代理組織の参入条件の厳格化
 ・品質誤認と公益の取消請求制度の追加、等
  ※解説Ⅳ(二)参照

4)商標権の保護強化
 ・商標権侵害行為としてEC取引の追加
 ・未登録の馳名商標について希釈化防止規定を追加
 ・地理的表示の保護強化、等
  ※解説Ⅳ(五)(六)参照

その他、詳細については以下の解説(日本語仮訳)をご参照ください。

パブコメ草案(2月27日締め切り)について https://mp.weixin.qq.com/s/pbxnTwTr1aEtGi9RqaT7Pw

パブコメ草案の解説(日本語仮訳)

新旧条文対照表(仮訳)

※JETRO(中国IPG)では、日本語での意見を2月8日締め切りで求めております。ご意見を弊所より提示することもできますので、弊所HPのお問合せからご意見をいただくことも可能です。

中华人民共和国商标法修订草案(征求意见稿)丨附修改对照表