欧州特許庁正式名:European Patent Office (EPO)

特許制度

制度概要
最新特許法の施行年月日 欧州特許条約(以下、「EPC」):2007年12月13日施行
出願人資格 発明者又はその権利承継人 (EPC第60条(1))
出願言語 どの言語でも(日本語でも)可(EPC規則第40条(1))
EPO公用語(ドイツ語、フランス語及び英語)でない言語で出願された場合、出願日から2ヶ月以内にいずれかのEPO公用語への翻訳の提出が必要(EPC第14条(1)(2)、EPC規則第6条(1))。
ただし、Euro-PCT(PCT経由の欧州出願)の場合は、優先日から31ヶ月以内に公用語への翻訳文を提出する必要がある(EPC規則第159条(1)(a))。
特許権の存続期間及び起算日 出願日から20年(EPC第63条)
新規性の判断基準 国内外公知、国内外刊行物(口頭による公開も含む) (EPC第54条)
新規性喪失の例外
(グレースピリオド)
次のケースが規定されている。
(1)
出願人又は前権利者に対する明らかな濫用による開示日から6ヶ月
(2)
出願人又は前権利者による公式又は公認の国際博覧会における展示日から6ヶ月
(EPC第55条)
不特許事由
(1)
発見、科学の理論及び数学的方法
(2)
美的創造物
(3)
精神的な行為、遊戯又は事業活動の遂行に関する計画、法則又は方法
(4)
コンピューター・プログラム
(5)
情報の提示
(6)
その商業的利用が公の秩序又は善良の風俗に反する虞のある発明(ヒトをクローン化する方法、遺伝子的同一性を変更する特定の方法、工業目的又は商業目的でのヒトの胚の使用等の特定の生物工学的発明を含む)
(7)
動植物の品種、動植物の生産の本質的に生物学的な方法及び該方法のみにより得られた動植物(微生物学的方法又は微生物学的方法による生産物を除く)
(8)
手術又は治療による人体又は動物の体の処置方法及び人体又は動物の体の診断方法
(EPC第52条(2)、第53条、EPC規則第28条)
実体審査の有無及び審査事項
(1)
優先権主張を伴う場合、優先基礎出願がなされた庁のサーチ結果の写しを提出しなければならない(EPC第124条(1)、EPC規則第141条(1))。ただし、日本国への出願に基づく優先権主張がなされた欧州特許出願については、上記義務が免除されている。
(2)
出願人は、求めに応じて、優先権の基礎出願ではないが類似している出願について、別の国・地域で引用された先行技術の情報を提出しなければならない(EPC第124条(1)、EPC規則第141条(3))。
上記義務を履行しなかった場合には、当該出願は取下げたものとみなされる(EPC第124条(2))。
審査請求制度 欧州調査報告の公開日から6ヶ月以内(EPC第94条(1)、EPC規則第70条(1))
Euro-PCTの場合は優先日から31ヶ月以内(EPC規則第159条(1)(a))ただし、EPOが国際調査機関である場合は、国際調査報告の公開から6ヶ月以内と上記期間のうち、満了日が遅いほうの期間内(EPC規則第159条(1)(f))。
優先審査制度及び早期審査制度 早期手続きプログラム(PACE)がある。PACEには(A)早期調査と(B)早期審査がある。
(A)
早期調査:
(a)
EPOは、優先権主張がなされていない欧州特許出願に関し、出願時に「第一出願」であることが明示されていることを条件に、出願日から6ヶ月以内に出願人がサーチレポート(調査報告書)を入手できることを保証する。
(b)
EPOは、優先権主張がなされている欧州特許出願に関し、出願時に別途書面でPACEの請求がなされていることを条件に、可及的速やかに調査報告書を発行するよう努める。
(審査ガイドラインPart E-VII, 3.1)
(B)
早期審査:
(a)
早期審査は原則として、何時でも書面により請求できる。
(b)
早期審査が請求された場合、[1] EPOは審査部による出願の受領、[2] 施行規則70aの通知への応答又は[3] PACE請求の受領の何れか遅い方から3ヶ月以内に最初の審査通知を発行するよう努める。
(c)
その後の審査通知についてEPOは、直前の審査通知で指摘された全事項に対して出願人が指定期間内に応答していることを条件に、応答書の受領から3ヶ月以内に発行するよう努める。
(Notice from the European Patent Office dated 4 May 2010 )
(C)
その他:
域内移行後に発行される通知(EPC規則161/162等)を受ける権利を放棄することによっても審査を早めることができる。
出願公開制度
(a)
出願日から又は優先権が主張されている場合は優先日から18月経過後、又は
(b)
出願人から請求があった場合は、上記期間の満了前(EPC第93条(1))
異議申立制度 欧州特許付与の告示の公告から9ヶ月以内に、何人も異議の申立を行なうことができる(EPC第99条(1))
無効審判制度 (各国法に委ねられている。)
実施義務 (各国法に委ねられている。)
特記事項 アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、スイス、キプロス、チェコ、ドイツ、デンマーク、エストニア、スペイン、フィンランド、フランス、イギリス、ギリシャ、クロアチア、ハンガリー、アイルランド、アイスランド、イタリア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、ラトビア、モナコ、北マケドニア共和国、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スウェーデン、スロベニア、スロバキア、サン・マリノ、トルコ、モンテネグロ (以上39国は加盟国)
ボスニア・ヘルツェゴビナ(拡張国)
モロッコ、モルドバ共和国、チュニジア、カンボジア、ジョージア (以上5国は拡張国でないが有効化が可能な認証国)

※特許庁の公開情報に基いて作成しております。 最終更新日:2024年1月19日

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