【日本】「特許庁ステータスレポート2022」が公表されました
2022年07月
特許庁ステータスレポートは、特許庁の統計情報及び政策の成果をいち早く発信する、年次報告書の速報版として作成されています。また、日本語と英語が併記されているため、国内外への情報発信ツールとしても利用可能です。
特許庁ステータスレポート2022には、知財動向に関する様々な統計情報等が掲載されていますが、その中から以下の項目について簡単に説明します。
1. 特許出願件数
2021年の、特許庁への特許出願件数*1は289,200件で、2020年の288,472件から728件の微増となりました。このうち、国際特許出願件数*2は72,782件で、過去最高であった2020年の67,634件を更に上回りました。国際特許出願を除く、特許出願の件数は減少傾向にあります。
日本の特許庁を受理官庁としたPCT国際出願の件数は、近年、増加傾向にありましたが、過去最高を記録した2019年の51,652件から、2020年は49,314件、2021年は49,040件と、漸減傾向にあります。
*1特許出願件数は、特許権の存続期間の延長登録の出願を含みます。
*2国際特許出願とは、特許協力条約に基づく国際出願であって指定国に日本国を含み、かつ日本国特許庁に国内書面が提出された特許出願です。件数は、国内書面の提出の日を基準にカウントします。
特許出願件数
出典:特許庁ステータスレポート;12頁、図1-1-1
PCT国際出願件数
出典:特許庁ステータスレポート;18頁、1-1-10図
2.一次審査通知 (First Action) までの期間 (FA期間) と権利化までの期間
2020年度のFA期間*3は平均10.2か月と、2019年の9.5か月より若干遅くなりました。同様に、権利化までの期間*4も2019年の14.3か月から若干遅い、15.0か月となりました。
*3FA期間は、審査請求から審査官による審査結果の最初の通知(主に特許査定又は拒絶理由通知書)が出願人等へ発送されるまでの期間です。
*4権利化までの期間は、審査請求から取下げ・放棄又は最終処分を受けるまでの期間です。
2020年度における特許審査の権利化までの期間及びFA期間
出典:特許庁ステータスレポート;47頁、2-1-1図
3. ウィズコロナ/ポストコロナ時代に対応したデジタル化
ITを活用したコミュニケーションが積極的に実施された結果、2021年の特許審査における面接審査1,689件のうち、1,423件はオンラインで実施されました (昨年比40.2%増)。また、審判においては、2021年10月より「オンライン口頭審理」が開始され、10月以降に実施された口頭審理20件のうち、13件がオンラインで実施されました。
特許庁ステータスレポート2022の日本語・英語併記版及び英語版はそれぞれ下記のURLからご覧いただけます。
日本語・英語併記版
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220330004/20220330004.html
英語版
https://www.jpo.go.jp/e/resources/report/statusreport/2022/index.html