【日本】経済安保推進法が成立 特許の非公開化が可能に

2022年09月

経済安全保障推進法(正式名称:「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」)が、2022年5月11日の参院本会議で可決・成立しました。
経済安全保障推進法は①供給網(サプライチェーン)の強化②基幹インフラの安全確保③官民による先端技術開発④特許の非公開の4本柱で構成されています。
ここでは、④特許の非公開についての概略をご説明いたします。

背景
政府は、かねてより、海外で軍事転用される可能性のある技術等、国の安全保障の観点から必要と認められた場合は、その特許出願の非公開化を可能とする法的整備を進めてきました。
詳細につきましては弊所知財トピックス2022年4月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/11337/

施行予定
経済安全保障推進法は、公布後2年間で段階的に施行され、特許の非公開につきましては、2024年の施行が予定されています。

手続きの主な流れ
1. 特許庁長官は、「公開されると国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明が含まれる特許出願」を内閣総理大臣に送付します。
2. 内閣総理大臣は、必要であると認められる場合はその出願を「保全指定」とし、出願人に通知します。
3. 「保全指定」された出願は、一定期間、出願の取下げ、発明内容の開示、外国への出願等が禁止されます。

尚、「保全指定」される特許出願は、年間数件程度と予想されています。

経済安全保障推進法の全文につきましては以下のURLをご参照ください。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/208/pdf/s0802080372080.pdf