【GCC】GCC特許庁の新しい運用について‐2023年1月1日より
2023年04月
湾岸協力会議特許庁 (GCC特許庁) は、特許規則の一部改正に伴い、2021年1月6日より新規の特許出願の受付を停止しておりましたところ、2023年1月1日より新規特許出願の受付を再開しています。
詳しくは弊所知財トピックス2023年1月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/12798/
今般、GCC特許庁の新しい運用について更なる情報が公表されました。そこで、新規則下での運用と旧規則下での運用との違い及び新規則下での手続きの流れを以下にまとめました。
1.法的効力
新規則下、GCC特許庁は出願人の指定により、バーレーン特許庁及び/又はクウェート特許庁の代理として特許出願(パリルート出願および各国直接出願(非PCT出願))を受理し、方式審査及び実体審査を行います。そして、GCC特許庁が付与した特許は、出願人が指定した国(バーレーン及び/又はクウェート)でのみ法的効力を有し、従来のようにGCC加盟国すべてで効力を有するものではなくなりました。
2.手数料
出願人が企業等の場合、出願手数料は従来の約US$1067から約US$800に値下げされた一方、特許調査料は約US$53から約US$534と大幅に値上げされました。
尚、出願人が個人の場合の出願手数料は、約US$534から約US$400に値下げされ、特許調査料は約US$27から約US$270に値上げされています。
3.新規則下での手続きの流れ
①出願人は、出願時にバーレーン及び/又はクウェートを指定して所定の手数料を支払います。
②出願がGCC特許庁に正式に受理されると、GCC特許庁は出願代理人に、審査手数料(案件ごとに異なります)を通知します。
③審査手数料が支払われると、GCC特許庁は実体審査を開始します。
④審査後、特許要件を満たす場合は特許付与通知が発行され、特許は各特許庁(クウェート及び/又はバーレーン)に付託されます。
⑤所定の登録料及び公告料を支払うと、各特許庁(クウェート及び/又はバーレーン)により電子特許証が発行されます。
尚、2021年1月5日以前に出願されたGCC特許出願は、旧規則に基づいて審査がなされ、付与されたGCC特許はGCC加盟国の全てで効力を有します。