【インド】特許規則改正‐2024年3月15日施行

2024年03月

2024年3月15日、インド特許規則改正(Patents (Amendment) Rules, 2024:新規則)が公表され、同日施行されました。
内容については、2023年8月に公表された特許規則改正案に、若干の修正が加わったものの、方針としては大きな変更はありません。
特許規則改正案につきましては、弊所知財トピックス2023年9月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/14078/

主なポイントは以下の通りです。

1. 実施報告義務の軽減(規則131)
旧規則では、Form 27(実施報告書)は、特許が付与された年の翌会計年度末から6ヶ月以内に、毎年1度の提出が求められていました。新規則では、3会計年度に1度の提出でよいこととなりました。
また、Form 27の様式が変更となり、インドにおける製造及び/又は輸入から生じる収益等に関する情報や、実施に向けての対策の記載が不要となりました。
さらに、期限を徒過した場合でも、Form 4の提出と手数料の支払いにより、Form 27の提出が可能となりました。

2. 対応外国出願に関する情報提供義務の軽減(規則12(2))
特許法第8条(1)(a)に基づく対応外国出願に関する陳述書(Form 3)は、出願日から6ヶ月以内に提出する必要があります(規則12(1A))。
特許法第8条(1)(b)では、出願人は、インド出願の特許付与日まで対応外国出願の情報を通知し続ける旨の誓約書(追加のForm 3と称します)を提出しなければならないと規定されていますが、新規則施行により、追加のForm 3の提出は、最初のオフィス・アクション発行日から3ヶ月以内の1度でよいこととなりました(規則12(2))。
また、Controllerは、対応外国出願の情報を検討するために、アクセス可能なデータベースを使用することができるとの文言が追加されました(規則12(3))。

3. 審査請求期限(規則24条B(1))
旧規則では、審査請求期限は、最先の優先日から48ヶ月以内とされていたところ、新規則では、最先の優先日から31ヶ月以内に短縮されました。
2024年3月14日以前の出願に関しては、旧規則が適用されます。

4. 維持年金の減額(規則80(3))
4年分以上の維持年金を、e-filingで前払いした場合、10パーセント減額されます。

新規則(Patents (Amendment) Rules, 2024)の全文につきましては、以下URLをご参照ください。
https://ipindia.gov.in/rules-patents.htm

https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPORule/1_83_1_Patent_Amendment_Rule_2024_Gazette_Copy.pdf