【米国】USPTO、ターミナルディスクレーマーに対する規則改定案公表
2024年06月
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年5月10日に、ターミナルディスクレーマー(TD)に関する規則に新たな要件を追加する改定案を公表し、意見募集を開始しました(7月9日まで)。
追加される要件
「自明性型二重特許(obviousness-type double patenting)」の拒絶理由を解消する手段としてTDを提出する場合、親⼦関係等にある2個以上の特許(特許出願)が互いにリンクされます。
今回の改定案によりますと、TD提出によりリンクされた複数の特許(特許出願)の⼀部が新規性欠如または自明性の理由で無効(最終拒絶)になった場合、残りの特許の権利⾏使が制限されることになります。TD提出の際には、上記事項に合意することが求められることとなります。
背景
現状では、TDの提出により、互いに僅かな差異しかないクレームで複数の特許を取得することが可能です。そして、TDによってリンクされた特許は、別々の権利として存在し、これらを無効にするには、それぞれの権利に対して個別に無効を争う必要があります。
複数の特許の存在自体が企業間の競争に対する弊害となり、イノベーションまたは健全な競争に対する障害となり得ます。そこで、USPTOは、TD提出に際して、権利行使の制限に関する合意を求めることで、この障害を取除くことを意図しています。
尚、現在意見募集中ですので、改正内容には更なる変更が予想されます。
詳細につきましては、USPTOの以下URLから2024年5月10日付け官報をご参照ください。
https://www.itohpat.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/05/Federal-Registers-Announce.pdf