【米国】USTRが2024年版スペシャル301条報告書を公表
2024年06月
米国通商代表部(USTR)は、2024年4月25日、知的財産権の保護・執行に関する各国の状況をまとめた2024年版スペシャル301条報告書を公表しました。
この報告書は、1974年米国通商法182条に基づき、知財保護が不十分な国や、公正かつ公平な市場アクセスを認めない国を特定し、懸念が大きい順に「優先国」「優先監視国」「監視国」に指定しています。「優先国」に指定した場合、USTRは所定の調査を開始し、その結果によっては、追加関税などの対抗措置が講じられる可能性があります。
2024年版の報告書では、「優先国」の指定はなく、下記の通り、7ヶ国が「優先監視国」、20ヶ国が「監視国」として指定されました。
優先監視国
アルゼンチン、チリ、中国、インド、インドネシア、ロシア、ベネズエラ
監視国
アルジェリア、バルバトス、ベラルーシ、ボリビア、ブラジル、ブルガリア、カナダ、コロンビア、エクアドル、エジプト、グアテマラ、メキシコ、パキスタン、パラグアイ、ペルー、タイ、トリニダード・トバゴ、トルコ、トルクメニスタン、ベトナム
2023年の報告書で「監視国」に指定されていたドミニカ共和国とウズベキスタンは、2024年の報告書で対象外とされました。
また、USTRは中国について、技術移転、営業秘密、模倣品やオンライン海賊版、著作権法、特許と関連政策等の長年の問題を懸念点として挙げられています。
2024年版スペシャル301条報告書の全文は以下URLから入手できます。
https://ustr.gov/sites/default/files/2024%20Special%20301%20Report.pdf