【欧州】欧州特許庁審判部、クレーム解釈について拡大審判部に質問を付託(G1/24)

2024年07月

2024年7月1日、欧州特許庁(EPO)審判部は、技術審判部3.2.01が中間審決(T439/22;「Heated aerosol」事件)において、以下の質問を拡大審判部に付託した旨公表しました。

付託された質問は以下の3つです。
(1) EPC第52条から第57条が規定する発明の特許性(保護対象・新規性・進歩性・産業上利用可能性等)を評価する目的でクレームを解釈する際、EPC第69条第1項第2文およびEPC第69条の解釈に関する議定書第1条(※)は適用されるか?
(2) 上記の特許性を評価する目的でクレームを解釈する際、明細書及び図面を参酌してもよいか?参酌してもよい場合、参酌は常に行ってもよいか、または当業者がクレームを単独で読んだ場合、不明確または曖昧であると判断した場合にのみ参酌できるとするべきか?
(3) 上記の特許性を評価する目的でクレームを解釈する際、クレームで使用される用語に関する、明細書に明示的に示された定義または類似の情報は無視することができるか?無視できる場合は、どのような条件下でなら無視できるか?

※ クレーム中の曖昧さを解消する目的に限り明細書及び図面を参酌することが許される旨が規定されている。

EPOのプレスリリースは、以下URLから入手できます。
https://www.epo.org/en/law-and-practice/boards-of-appeal/communications/referral-enlarged-board-appeal-g-124-heated

中間審決T439/22は、以下URLから入手できます。
https://www.epo.org/en/boards-of-appeal/decisions/t220439eu1