【ブラジル】所有権移転等手続きに関する新たなガイドライン

2024年10月

2024年9月13日、ブラジル知的財産庁 (INPI) は、ブラジルにおける特許出願/特許の所有権移転、名称および住所の変更等の登録手続きを変更する条例第20号を公布しました(施行日:2024年10月17日)。

主な変更点
1. 登録請求
所有権移転登録と名称等の変更登録請求は、これまで1つのフォームで行なう事が認められていましたが、それぞれ別個の手続きが必要となりました。INPIによりますと、この変更は、事務処理の簡便化のためとしています。

2. 所有権移転登録に必要な書類
所有権移転登録には、譲渡証書に署名する代表者の権限を証明する書類が必要になりました。これにより、譲渡証書の有効性に関する紛争等が回避できます。

3. 外国語文書の翻訳
これまでは、外国語文書には宣誓翻訳文の提出が必要でしたが、宣誓が不要となり、通常の翻訳文の提出のみで手続き可能となりました。これにより、ブラジルで特許を保有する外国企業のコストが削減されます。

4. 署名認証、領事館認証、アポスティーユ
電子署名された外国語文書の署名認証、領事館認証、またはアポスティーユが基本的に不要となります。ただし、特定の手続きについては、今後のINPIの取り決めによって、署名認証等が必要な場合がありますので、不明な場合は弊所にお問い合わせください。

6.付与後の変更
特許付与後に名称の変更や所有権の移転があった場合は、変更登録時に登録証明書が発行されますので、特許証の修正や再発行の必要がなくなります。この変更により、付与後の手続きの簡素化と迅速化が期待されます。