【日本】特許庁関係手続における押印の見直しについて

2025年03月NEW

今般、日本国特許庁(JPO)は、「印鑑証明書」等の提出にかかる運用を見直し、「実印である旨」の宣誓を行うことにより、「印鑑証明書」及び「実印による証明書」の提出が原則不要となる旨公表しました。

1.運用変更の背景
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2020年12月28日、「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係省令の一部を改正する省令」が公布・施行され、一部の手続を除き、押印が不要となりました。
また、2021年6月12日には「特許登録令施行規則等の一部を改正する省令」が施行され、さらに押印が不要な手続が追加されました。
ただし、押印を存続する手続(偽造の被害が大きい手続)の手続書面及び証明書類に押印する印は、「本人確認ができるもの」(いわゆる実印)と規定され、手続書面及び証明書類に押印された印について、原則として「印鑑証明書」及び「実印による証明書」の提出が必要とされました。
一方で、在外者等に対しては、(押印に代えて)署名証明書等の本人確認ができる書面の提出が求められています。しかし、申請書等に譲渡人又は譲受人等の代理人である弁理士又は弁護士による「譲渡人等の意思確認をした旨」の記載があれば、署名証明書等の提出を不要とする運用が行われており、国内居住者と在外者の要件に不平等が生じていました。
そこで、今般、「実印である旨」の宣誓を行うことにより、「印鑑証明書」及び「実印による証明書」の提出が原則不要となる運用変更が行われることになりました。
なお、譲渡人又は譲受人等の本人が手続する場合についても、申請人が「実印である旨」の宣誓を行うことにより、「印鑑証明書」及び「実印による証明書」の提出が原則不要となります。また、外国人による証明書類への署名についても、同様に、申請人が「譲渡人等の意思確認をした旨」を記載することで、署名証明書等の証明書の提出が不要となります。

2.変更の対象
当該運用変更の対象となるのは、2025年4月1日以降にJPOに提出される証明書類等です。なお、宣誓や使用された印が実印であるか否かに疑義がある場合は、印鑑証明書を求められる場合がありますので、ご留意ください。

詳細につきましては、JPOの以下URLをご参照下さい。
https://www.jpo.go.jp/system/process/shutugan/madoguchi/info/oin-minaoshi.html