【韓国】特許権等の侵害訴訟の第二審が、特許法院の専属管轄へ

2016年02月

2016年1月1日に、特許権、実用新案権、商標権、デザイン権、品種保護権(以下「特許権等」という)の侵害訴訟の管轄に関する規定を改正した改正民事訴訟法及び改正法院組織法が施行されました。その目的は、侵害訴訟は一般法院で扱うが、審決取消訴訟(特許審判院の審決に対する不服訴訟)は特許法院で扱うという二元構造を取りやめて、今後は、侵害訴訟の第二審及び審決取消訴訟の管轄を、特許法院に一本化するためです。主な改正点は、次の通りです。

 まず、侵害訴訟の第一審は、これまで全国の地方法院が管轄していましたが、本改正法により、5つの地方法院(ソウル、大田、大邱、釜山、光州)に集中されます。

 侵害訴訟の第二審(控訴審)については、これまでは高等法院が管轄していましたが、改正法では特許法院の専属管轄となります。その結果、特許法院は、審決取消訴訟のみならず、侵害訴訟の第二審も管轄することになりました。

 今回の改正により、専門性の高い特許法院が、審決取消訴訟と特許権等の侵害訴訟の第二審とを管轄することにより、産業財産権の紛争解決がより専門的かつ効率的に行われることが期待されます。