【WIPO】2018年のPCT国際出願件数を発表、アジアからの出願が初の過半数
2019年07月
世界知的所有権機関(WIPO)の発表によりますと、2018年のPCT国際出願件数は、2017年比で3.9%増の約253,000件(暫定値。以下同様。)となり、過去最高を記録しました。
地域別では、アジアからの出願件数が初めて全体の過半数(50.5%)を占めました。欧州からの出願件数は24.5%、北⽶からの出願件数は23.1%でした。アジアの好調の要因は、インド (27.2%増)、中国 (9.1%増)、韓国 (8%増) の顕著な伸びによるものです。
2018年における上位10ヶ国の出願件数、全世界の出願件数に対するシェア及び2017年比は、以下の通りです。
| 国名 | 出願件数 | 全世界の出願件数に | 2017年比 |
1 | 米国 | 56,142 | 22.2% | -0.9% |
2 | 中国 | 53,345 | 21.1% | +9.1% |
3 | 日本 | 49,702 | 19.6% | +3.1% |
4 | ドイツ | 19,883 | 7.9% | +4.9% |
5 | 韓国 | 17,014 | 6.7% | +8% |
6 | フランス | 7,914 | 3.1% | -1.2% |
7 | 英国 | 5,641 | 2.2% | +1.3% |
8 | スイス | 4,568 | 1.8% | +1.8% |
9 | スウェーデン | 4,162 | 1.6% | +4.7% |
10 | オランダ | 4,138 | 1.6% | -6.6% |
国別の出願件数は依然として米国が一番多いものの、中国が僅差で迫っており、現在の流れで行くと、中国が今後2年以内に米国を追い抜くとWIPOは予想しています。
2018年に公開されたPCT出願件数で上位10社に入った出願人は、国別で、中国3社、韓国2社、米国2社、日本1社、スウェーデン1社、ドイツ1社でした。上位10社のうち、6社がアジア(中国、韓国、日本)の出願人であったことも、その好調さを示しています。
公開されたPCT国際出願の技術分野別の出願件数の1~5位及びその占有率は、デジタル通信(20,271件、8.6%)、 コンピュータ技術(19,152件、8.1%)、 電気機械・装置・エネルギー(16,577件、7.0%)、 医療技術(15,826件、6.7%)、 運輸(10,867件、4.6%)でした。
詳しい資料につきましては、以下のWIPOのウェブサイトから入手いただけます。
https://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2019/article_0004.html