【日本】「特許庁ステータスレポート2020」が公表されました
2020年07月
特許庁ステータスレポートは、特許庁の統計情報及び政策の成果をいち早く発信する、年次報告書の速報版として作成されています。また、日本語と英語が併記されているため、国内外への情報発信ツールとしても利用可能です。
特許庁ステータスレポート2020には、知財動向に関する様々な統計情報等が掲載されていますが、その中から以下の2項目について簡単に説明します。
1.特許出願件数
2019年の、特許庁への特許出願件数*1は307,969件で、2018年の313,567件から5,598件減りました。このうち、国際特許出願件数*2は66,968 件で、過去最高であった2018年の64,013件を更に上回りました。国際特許出願を除く、特許出願の件数は減少傾向にあります。
一方、日本の特許庁を受理官庁としたPCT国際出願の件数は、堅実に増加しており、2019年の件数は、過去最高の51,652件でした。
*1特許出願件数は、特許権の存続期間の延長登録の出願を含みます。
*2国際特許出願とは、特許協力条約に基づく国際出願であって指定国に日本国を含み、かつ日本国特許庁に国内書面が提出された特許出願です。件数は、国内書面の提出の日を基準にカウントします。
特許出願件数
出典:特許庁ステータスレポート;12頁、図1-1-1
PCT国際出願件数
出典:特許庁ステータスレポート;19頁、1-1-10図
2.一次審査通知 (First Action) までの期間 (FA期間) と権利化までの期間
2018年度(2018年4月-2019年3月)のFA期間*3は平均9.3ヶ月でした。また、権利化までの期間*4は平均14.1ヶ月でした。
*3FA期間は、審査請求から審査官による審査結果の最初の通知(主に特許査定又は拒絶理由通知書)が出願人等へ発送されるまでの期間です。
*4権利化までの期間は、審査請求から取下げ・放棄又は最終処分を受けるまでの期間です。
2018年度における特許審査の権利化までの期間及びFA期間
出典:特許庁ステータスレポート;51頁、2-1-1図
2018年度の権利化までの平均期間について、他の五大特許庁では、 韓国 (KIPO: 15.8ヶ月)、 中国 (CNIPA: 22.5ヶ月)、 米国 (USPTO: 23.8ヶ月)、 欧州 (EPO: 25.1ヶ月) でした。日本 (JPO)の審査の迅速性が際だっています。
出典:特許庁ステータスレポート;2019施策まとめ;4頁
特許庁ステータスレポート2020は下記のURLからご覧いただけます。https://www.jpo.go.jp/resources/report/statusreport/2020/index.html