【メキシコ】産業財産権法改正-2020年11月5日施行

2021年02月

アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA: the Trade Agreement between the United States, Mexico and Canada)の発効に伴い、メキシコの産業財産権法が改正されました。主な内容は以下のとおりです。

1.用途発明
既知の物質、化合物、組成物等の新規な用途が特許の対象となることが明記されました。

2.新規性喪失例外規定
旧法では、新規性喪失の例外規定の適用対象は、発明者等の開示行為に限定されていましたが、発明者等から直接的にまたは間接的に情報を入手した第三者の開示行為も適用対象となりました。

3.分割出願
分割出願(子出願)に基づいた分割出願(孫出願)は、単一性違反が指摘された場合のみ可能であり、自発的にはできないことが明記されました。
また、分割出願は原出願と異なる主題を含まなければならないこととなりました。

4.特許期間の調整(PTA:Patent Term Adjustment)
メキシコ産業財産庁(IMPI)に起因する審査遅延により、出願日から特許付与までの期間が5年以上であった場合、5年を限度として、特許期間調整の申請が可能となりました。

5.Bolar条項
医薬品製造承認を受けるために必要なデータ収集、試験・実験等のための、特許製品の使用、製造、販売、輸入には特許権の効力が及ばない規定(いわゆるBolar条項)が導入されました。

6.実用新案
旧法では、実用新案の存続期間は出願日から10年でしたが、新法では15年に延長されました。